こんにちは。群馬県みどり市で、地域の交通インフラを支える公共工事を手掛ける株式会社高草木です。
日々の暮らしに欠かせない道路の維持修繕において、「切削オーバーレイ工法」は最も基本的かつ重要な技術の一つです。しかし、この工法の本質は、単に古いアスファルトを削って新しい舗装を重ねるだけの単純作業ではありません。道路の寿命を決定づける数々の「勘所」が存在し、そこには施工管理者の長年の経験と深い知見が不可欠です。この記事では、経験豊富なプロであればこそ共感いただける、切削オーバーレイ工法の品質管理の核心に迫ります。
なぜ今、道路の「長寿命化」がこれほど重要なのか?
日本の道路インフラは、高度経済成長期に集中的に整備されたものが多く、その多くが建設から数十年を経て一斉に老朽化の時期を迎えています。この課題に対し、国や自治体は単なる対症療法的な補修ではなく、インフラ全体の「長寿命化」を大きな目標として掲げています。これは、私たち建設技術者にとって、仕事の質そのものが問われる時代の到来を意味します。目先のコストや工期だけでなく、10年、20年先を見据えた施工が、これまで以上に強く求められているのです。
集中整備されたインフラの一斉老朽化と、増大する維持管理コスト
全国の道路、橋、トンネルなどが一斉に修繕の必要な時期を迎える中、維持管理にかけられる予算には限りがあります。もし、一つ一つの補修工事の品質が低ければ、数年で再び劣化が進み、再補修が必要となります。こうした「いたちごっこ」を繰り返せば、維持管理コストは雪だるま式に膨れ上がり、将来世代に大きな負担を残すことになりかねません。だからこそ、一度手掛けた工事は、できる限り長く健全な状態を保つ必要があるのです。
「作っては壊す」から「賢く長く使う」へ。国が推進するインフラ長寿命化計画
国は「インフラ長寿命化基本計画」を策定し、従来の「対症療法型」の維持管理から、劣化が進む前に予防的な対策を行う「予防保全型」への転換を推進しています。これは、道路舗装においても同様です。ひび割れやわだち掘れが深刻化する前に対策を打つことで、結果的に大規模な修繕を回避し、ライフサイクルコストを大幅に削減することができます。この計画の成功は、まさに現場の品質管理にかかっていると言っても過言ではありません。
品質が低い維持修繕がもたらす、将来の再補修コストと社会的損失
切削オーバーレイ工法におけるわずかな品質の妥協は、数年後に大きなコストとなって跳ね返ってきます。例えば、締固め不足による早期のわだち掘れは、交通の安全性を損なうだけでなく、再度の交通規制を伴う補修工事を必要とします。その度に発生する渋滞は、地域経済にも無視できない損失を与えるでしょう。質の高い施工は、単に道路を直すだけでなく、未来の無駄なコストと社会的損失を防ぐ、重要な投資なのです。
切削オーバーレイ工法の品質を左右する、施工管理の4つの重要フェーズ
切削オーバーレイ工法のフローは、一見するとシンプルです。しかし、その各工程には、道路の寿命を決定づける無数のチェックポイントが存在します。ここでは、施工管理者が特に注意を払うべき4つのフェーズを取り上げ、その勘所を解説します。これらの基本をいかに高いレベルで実践できるかが、プロの腕の見せ所です。
①切削工程:ミリ単位の精度が求められる、既設舗装の切削深さ管理
切削工程は、単に古い舗装を剥がすだけではありません。設計された深さを、ミリ単位の精度で均一に削り取ることが、後の舗設工程の品質を大きく左右します。切削が浅すぎれば新しい舗装の厚みを確保できず、深すぎれば不要なコストが発生します。路面の勾配や凹凸を読み、切削機のセンサーやオペレーターと密に連携を取りながら、平坦な下地を作り上げる。この地道な管理が、滑らかで安全な道路の第一歩となります。
②清掃・タックコート散布:接着力を最大化する、地味だが最も重要な下地処理
切削後の路面に残ったわずかな砂塵や水分は、新しいアスファルト層と古い路盤との接着力を著しく低下させ、早期の剥離やひび割れの原因となります。高圧のブロワーで徹底的に清掃し、完全に乾燥させた後、アスファルト乳剤(タックコート)を均一に散布する。この地味な工程こそ、新旧の舗装を一体化させるための最も重要な「接着剤」の役割を果たします。散布量が多すぎても少なすぎてもダメ。その見極めにこそ、経験が活きるのです。
③アスファルト舗設:温度管理と敷きならし技術が、平坦性と耐久性を決める
アスファルト合材は、温度が命です。プラントから出荷され、現場に到着し、フィニッシャーで敷きならされるまでの間、規定の温度を保たなければ、最適な品質を得ることはできません。特に冬場の施工では、温度管理はさらにシビアになります。施工管理者は、合材の運搬計画から現場での敷きならしスピードまでを計算し、合材が冷めないうちに作業を完了させなければなりません。フィニッシャーのスクリード調整による平坦性の確保も、オペレーターとの阿吽の呼吸が求められる、まさに職人技の世界です。
④転圧・締固め:規定の密度を確保し、ひび割れやわだち掘れを防ぐ最終工程
敷きならされたアスファルトを、ロードローラーで締め固めて規定の密度まで高めるのが転圧工程です。この締固めが不十分だと、舗装内部に隙間が多く残り、車両の荷重や雨水の浸透によって、わだち掘れやひび割れといった劣化が急速に進行します。アスファルトの温度が最適なうちに、適切な重さのローラーで、適切な回数、適切な速度で転圧を行う。この一連の流れを的確に管理することが、道路の耐久性を決定づける最後の重要な仕事となります。
経験者が語る「図面には書かれない」切削オーバーレイの3つの難所
仕様書やマニュアル通りに作業を進めるのは、施工管理者として当然の務めです。しかし、真のプロフェッショナルの価値は、図面には書かれていない不測の事態や、現場特有の課題に対応できるかにかかっています。ここでは、多くの経験者が頷くであろう、切削オーバーレイ工法の3つの難所について触れていきます。
①既存構造物(マンホール等)とのすり付け:平坦性を損なわないための微調整技術
道路には、マンホールやグレーチング、橋のジョイントなど、多くの既存構造物が存在します。新しい舗装とこれらの構造物との間に段差が生じれば、車両走行時の騒音や振動の原因となり、平坦性を著しく損ないます。構造物周辺のアスファルトを、人力で丁寧に敷きならし、丹念に締め固める。そして、全体の高さと勾配を合わせ込む。この最後の「すり付け」作業の美しさと精度に、その施工管理者の経験とプライドが現れると言っても過言ではありません。
②天候との闘い:急な降雨から舗設面を守る判断力と、温度低下との時間勝負
アスファルト舗装は、天候との闘いです。特に、タックコートを散布した後や、アスファルトを敷きならした直後の降雨は絶対に避けなければなりません。常に最新の気象情報を確認し、少しでも雨の兆候があれば、作業を中断して養生する勇気ある判断が求められます。また、風が強い日や気温が低い日は、アスファルトの温度が急速に低下します。限られた時間の中で、いかに効率よく、かつ高品質な転圧作業を完了させるか。その段取りと指示能力は、まさに経験の賜物です。
③交通規制下での安全確保:一般車両と作業員の動線を分離する、先読みのリスク管理
維持修繕工事の多くは、道路の一部を通行させながら行われます。すぐ隣を一般車両が走行する中で、作業員の安全を確保することは、施工管理者の最優先事項です。保安員や誘導員の配置計画、作業エリアを明確にするためのカラーコーンやバリケードの設置はもちろんのこと、「カーブの先で、ドライバーから作業員が見えにくいかもしれない」「この時間帯は通勤車両が増えるから、ダンプの出入りを控えよう」といった、常に危険を先読みするリスク管理能力が、事故を未然に防ぎます。
高草木が、あなたの「道路づくりの経験」を高く評価する理由
これまで述べてきたような、仕様書の行間を読み解き、現場の状況に柔軟に対応する力。それこそが、私たち株式会社高草木が、経験豊富なあなたに求める能力です。私たちは、あなたの「道路づくりの経験」そのものに、大きな価値があると考えています。
地域の大動脈を守る責任。公共工事だからこそ、妥協のない品質を追求する
私たちの仕事は、そのほとんどが群馬県やみどり市から発注される公共工事です。これは、地域の人々の生活や経済活動を支える大動脈を守るという、大きな責任を伴う仕事です。だからこそ、私たちは目先の利益や効率だけを追うのではなく、10年、20年先も安心して使える道路を提供することに、徹底的にこだわります。その妥協のない品質追求の姿勢は、プロフェッショナルとしてのあなたの誇りと、必ずや共鳴するものと信じています。
あなたの持つ「平坦性確保のノハウ」や「品質管理の勘所」が、当社の技術力をさらに高める
高草木には、長年培ってきた技術の蓄積があります。しかし、私たちは現状に満足していません。あなたがこれまで他の現場で培ってきた、独自のノウハウや品質管理の勘所、トラブルシューティングの経験は、当社の技術力をさらに一段階上へと引き上げてくれる貴重な財産です。あなたの経験を、ぜひ当社の若手にも伝承し、会社全体の技術力を高める力になっていただきたいのです。
長年の経験と実績に、最高の敬意を払う給与体系と待遇をお約束します
私たちは、あなたがこれまでのキャリアで積み上げてきたものの価値を、正当に評価したいと考えています。年齢や経験年数、そして前職での実績を最大限に考慮し、ご納得いただける給与と待遇でお迎えすることをお約束します。あなたの経験は、安売りされるべきものではありません。その価値に最高の敬意を払うこと。それが、私たちの基本的なスタンスです。
そのプロの技を、地元・群馬の道のために活かしませんか?
長年のキャリアで培ってきた、その確かな技術と経験。それを、愛着のある地元の未来のために、もう一度活かしてみませんか。高草木には、あなたの力を存分に発揮できるフィールドがあります。
転勤なしの安定環境で、愛着のある地域のインフラ整備に貢献
私たちは、群馬県みどり市に根ざした地域密着企業です。転勤の心配はなく、腰を据えてじっくりと仕事に取り組むことができます。あなたが手掛けた道路を、あなたの大切な家族や友人が毎日使う。そんな、地域に深く貢献している実感を得られる仕事が、ここにあります。
まずは面談で、あなたが最も自信を持って手掛けた現場の話をお聞かせください
すぐに転職を、という話でなくても構いません。まずは「カジュアル面談」で、あなたがこれまでのキャリアで最も苦労した現場の話、最も誇りに思っている仕事の話を、私たちに聞かせてください。選考の場ではなく、技術者同士として、熱い話をできることを楽しみにしています。
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